年金の計算の基礎となる被保険者期間→当月~前月
離婚等をした場合における特例(合意分割の特例)
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1標準報酬の合意分割
①合意分割の請求(標準報酬改定請求)
要件
1)□□□ or 2)□□□
請求期限:〇〇した時から□□□
例外:上記経過したときであっても、○○から起算して〇〇以内であればOK
②請求すべき按分割合の範囲

1) 上限 2)下限
③当事者等への情報の提供等
④標準報酬の改定等
2.合意分割の効果


①年金額の改定
②離婚時みなし被保険者期間の扱い
1)2)3)




③在職老齢年金における標準賞与額の扱い
被扶養配偶者である期間についての特例(3号分割の特例)
1.標準報酬の3号分割

①3号分割の請求
②標準報酬の改定等
2.3号分割の効果

①年金額の改定
②被扶養配偶者みなし被保険者期間の扱い
3.合意分割との関係

①
②
R4.3.16 離婚時みなし被保険者期間の扱いその1
「離婚時みなし被保険者期間」とは?
例えば、厚生年金保険の被保険者の夫から第3号被保険者の妻に厚生年金の分割が行われた場合、妻は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、分割を受けたことにより、その期間は(厚生年金保険の)被保険者期間であったとみなされます。これを「みなし被保険者期間」といいます。
■合意分割
・ 対象期間のうち第1号改定者の被保険者期間であって第2号改定者の被保険者期間でない期間
→ 第2号改定者の被保険者期間であったものとみなす。(離婚時みなし被保険者期間)
(第78条の7)
■3号分割
・ 特定期間に係る被保険者期間
→ 被扶養配偶者の被保険者期間であったものとみなす。(被扶養配偶者みなし被保険者期間)
(第78条の15)
R5.6.8 離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度
今日は、3号分割の基本をチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第78条の14(特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例)① 被保険者(被保険者であった者を含む。以下「特定被保険者」という。)が被保険者であった期間中に被扶養配偶者(当該特定被保険者の配偶者として国民年金法の第3号被保険者に該当していたものをいう。)を有する場合において、当該特定被保険者の被扶養配偶者は、当該特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるときは、実施機関に対し、特定期間(当該特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として第3号被保険者であった期間をいう。)に係る被保険者期間の標準報酬(特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬をいう。)の改定及び決定を請求することができる。ただし、当該請求をした日において当該特定被保険者が障害厚生年金(当該特定期間の全部又は一部をその額の計算の基礎とするものに限る。)の受給権者であるときその他の厚生労働省令で定めるときは、この限りでない。② 実施機関は、①の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。③ 実施機関は、①の請求があった場合において、当該特定被保険者が標準賞与額を有する特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準賞与額を当該特定被保険者の標準賞与額に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。④ 特定期間に係る被保険者期間については、被扶養配偶者の被保険者期間であったものとみなす。⑤ 改定され、及び決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有する。 |
まず、用語をおさえましょう。
・特定被保険者 → 厚生年金保険の被保険者(被保険者であった者を含む)
・特定期間 → 特定被保険者が厚生年金保険の被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が第3号被保険者であった期間
では、過去問をどうぞ!
※「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」に関する問題です。
①【H26年出題】
いわゆる事実婚関係であった期間については、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者となっていた場合には分割の対象となる。
②【H26年出題】
分割の対象となる特定期間とは、特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として国民年金の第3号被保険者であった期間をいい、平成20年4月1日前の期間を含まない。
③【H26年出題】※問題文を修正しています
実施機関は、特定被保険者の被扶養配偶者から特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に当事者が合意した按分割合に基づいて算出した割合を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。
④【H26年出題】
老齢厚生年金の受給権者について、分割の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときの年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われる。
⑤【H26年出題】
原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、被扶養配偶者からの特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求を行うことができない。

【解答】
①【H26年出題】 〇
3号分割の請求ができるのは、「特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるとき」です。
「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった特定被保険者及び被扶養配偶者について、当該被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失し、当該事情が解消したと認められる場合」も、3号分割の対象となります。
(則第78条の14第1号)
②【H26年出題】 〇
平成20年4月1日前の期間は、特定期間に含まれません。
3号分割の対象になるのは、平成20年4月1日以降の期間です。
(H16年法附則第46条)
③【H26年出題】 ×
特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を『特定被保険者の標準報酬月額に「2分の1」』を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定されます。
※標準賞与額についても、「2分の1」を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定されます。
3号分割は「2分の1」がポイントです。「合意した按分割合に基づいて算出した割合」ではありません。
④【H26年出題】 〇
改定され、及び決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有します。
老齢厚生年金の受給権者の年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われます。
(法第78条の18)
⑤【H26年出題】 〇
原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、3号分割の請求はできません。
(則第78条の17)
R6.1.14 離婚時みなし被保険者期間の扱い
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は厚生年金保険法です。
条文を読んでみましょう。
第78条の6第1項~3項① 実施機関は、標準報酬改定請求があった場合において、第1号改定者が標準報酬月額を有する対象期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当事者の標準報酬月額をそれぞれ次の各号に定める額に改定し、又は決定することができる。(1) 第1号改定者 改定前の標準報酬月額に一から改定割合( 按分割合を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した率をいう。)を控除して得た率を乗じて得た額(2) 第2号改定者 改定前の標準報酬月額(標準報酬月額を有しない月にあっては、零)に、第1号改定者の改定前の標準報酬月額に改定割合を乗じて得た額を加えて得た額② 実施機関は、標準報酬改定請求があった場合において、第1号改定者が標準賞与額を有する対象期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当事者の標準賞与額をそれぞれ次の各号に定める額に改定し、又は決定することができる。(1) 第1号改定者 改定前の標準賞与額に一から改定割合を控除して得た率を乗じて得た額(2) 第2号改定者 改定前の標準賞与額(標準賞与額を有しない月にあっては、零)に、第1号改定者の改定前の標準賞与額に改定割合を乗じて得た額を加えて得た額③ 対象期間のうち第1号改定者の被保険者期間であって第2号改定者の被保険者期間でない期間については、第2号改定者の被保険者期間であったものとみなす。 |
★③が「離婚時みなし被保険者期間」です。
例えば、夫が第1号改定者、妻が第2号改定者で妻が標準報酬月額を有しない場合
夫 | 妻 | |
標準報酬月額 | 零 | |
↓
分 割
↓
夫 | 妻 |
標準報酬月額 | 標準報酬月額 |
妻(第2号改定者)は厚生年金保険の被保険者でないのがポイントです。
しかし、離婚分割によって報酬額の記録が分割され、第2号改定者の厚生年金保険の被保険者期間であったものとみなされます。この期間を離婚時みなし被保険者期間といいます。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
離婚時みなし被保険者期間は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額の計算の基礎とはされない。
②【H27年出題】
厚生年金保険の被保険者期間が離婚時みなし被保険者期間としてみなされた期間のみである者は、特別支給の老齢厚生年金を受給することはできない。
③【R3年出題】
老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上という要件があるが、当該被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることはできない。
④【H28年出題】※改正による修正あり
国民年金の第1号被保険者期間のみを有していた者が、離婚時みなし被保険者期間を有するに至ったことにより老齢厚生年金の受給権を取得した後に死亡した場合(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)は、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。

【解答】
①【H29年出題】 〇
離婚時みなし被保険者期間は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額の計算には入りません。
なお、報酬比例部分の計算には入ります。
(法附則第17条の10)
②【H27年出題】 〇
特別支給の老齢厚生年金を受給するには、1年以上の厚生年金保険の被保険者期間が必要ですが、「離婚時みなし被保険者期間」は1年の計算に入りません。
そのため厚生年金保険の被保険者期間が離婚時みなし被保険者期間としてみなされた期間のみの場合は、特別支給の老齢厚生年金は支給されません。
(法附則第17条の10)
③【R3年出題】 〇
老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算されるためには、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上必要です。その被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間は含まれません。
(法第78条の11)
④【H28年出題】 〇
老齢厚生年金の受給権を取得した後に死亡した場合(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)は、遺族厚生年金の長期要件に該当します。
遺族厚生年金の長期要件には、「離婚時みなし被保険者期間を有する者を含む。」とされています。
そのため、国民年金の第1号被保険者期間のみを有していた者が、離婚時みなし被保険者期間を有するに至ったことにより、老齢厚生年金の受給権を取得した後に死亡した場合(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)は、遺族厚生年金の長期要件を満たします。
(法第78条の11)
国民年金の第1号被保険者期間しか有していなくても、離婚時みなし被保険者期間を有した場合は、老齢厚生年金の受給権を取得します。
そのような場合で、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある者が死亡した場合は、一定の遺族に遺族厚生年金が支給されます。
老齢厚生年金 (離婚時みなし被保険者期間のみ) |
老齢基礎年金 (第1号被保険者期間のみ(25年以上)) |
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
特別支給の老齢厚生年金の受給資格要件の1つは、1年以上の被保険者期間を有することであるが、この被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることができる。

【解答】
【R5年出題】 ×
特別支給の老齢厚生年金の受給資格要件の「1年以上の被保険者期間」には、離婚時みなし被保険者期間は含まれません。
(法附則第17条の10)
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